2009.06.09新しい国別ドメイン「.日本」に関する情報
6月3日に総務省の情報通信審議会情報通信政策部会インターネット基盤委員会による諮問『21世紀におけるインターネット政策の在り方~新たなトップレベルドメイン名の導入に向けて~』に対するパブリックコメントの募集が締め切られ、7月中旬を目処に中間答申が行われる予定です。
これはICANNが昨年6月に発表した「トップレベルドメイン(TLD)国際化・多様化についてのガイドライン」にもとづき、日本での新たなTLD導入を企図したもので、諮問どおり実施されれば新たな国別ドメインとして「.日本」が導入されることとなります。
目的
すでに、「マークアイ.jp」という形式の日本語ドメインは登録できますが、トップレベルはアルファベットです。諮問どおり実施されれば、トップレベルまですべて日本語で記述できる「マークアイ.日本」の登録が可能になります。
情報通信審議会はこれによって以下の効果が期待できると予想しています。
- ドメイン名の多様化によるユーザーの選択肢の拡大
- 企業や団体等の広報戦略、営業戦略における活用
- 新規サービス(新規事業者)の参入によるサービス向上
- 日本語だけで構成される分かりやすいドメイン名の実現
運営の基本ルール案
「.日本」は、「.jp」と同じく日本という国を表す国別ドメイン(ccTLD)ですが、新たなドメインという位置づけのため、レジストリや運用ルールは必ずしも「.jp」と同一にならない可能性があります。
したがって、「マークアイ.jp」の登録者も、新たなドメインとして「マークアイ.日本」を取得する必要があります。
- 混乱を避けるため「.jp」保有者を対象とした一定の優先登録期間を設けることが提案されています
- 商号や商標を有する者に対して優先登録期間を設けることも提案されています
- 利用者保護のため、導入当初は登録者は日本の個人・法人に限定する方向です
- 「.jp」と同様の紛争処理ルールを策定することも提案されています
スケジュール
ICANNでは本年10月に最終案の公表を予定しており、早ければ本年末にも事業者からの新たなTLD新設の申請受付が開始される可能性があります。
申請に対しては一定の審査期間が設けられる予定で、その後、承認を受けた事業者による準備に相当期間を要することが予想されるため、実際にドメイン名の登録が受け付けられるのはまだ先になると思われます。
国際化ドメイン導入による影響
各国で自国の言語を使用したドメインの需要は高まっており、最も普及しているブラウザであるInternet Explorerの多言語ドメイン対応により、ドメインの国際化は広まりつつあります。
今回の諮問では、地理的名称に関連するドメイン名に関するルールも検討されていますが、将来的には「.京都」などの行政地域名や「.富士山」などの地名のドメインが実現する可能性もあります。
Internet Explorer(以下IE)はバージョン7から、標準で多言語のドメインに対応していますが、5月27日からは最新版であるIE8の自動更新が開始されており、多言語対応していないIE6のシェアは20%以下となっています。
IEと競合するブラウザのほとんどが多言語対応を完了していることを考えると、既にインターネットユーザーの8割以上が多言語ドメインを使える環境にあると予想され、今後、多言語ドメインの普及が急速に進む可能性もあります。
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