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2012.10.19新gTLD申請の最新動向について

2012年5月末に締め切られた新gTLDの申請は、4カ月以上が経過し現在は申請されたgTLDの審査(申請評価)が行われている段階です。
受付けられた1,930件の申請のうち、3文字の国コードと一致しているなどの理由によるものも含め、7件の申請が取り下げられました。


今後のスケジュール

  • 2012年10月:GACによる警告
  • 2013年1月:申請に対する意義申立て締切
  • 2013年4月:GACによる特定の申請に対する助言
  • 2013年6~7月:全ての申請に対する初期審査完了

申請処理の優先順位

技術的な制約から年間に追加できるTLDを1,000件に止める必要があるため、各申請に対してDNSへの委任順位をつける必要があります。
そのため、ICANNでは順位づけの方法として、「抽選」を導入することを提案しました。

これは、各申請者が番号が書かれたチケットを100ドルで購入するというものですが、ICANNの本拠地がある米国カリフォルニア州の州法により、抽選が実行される前に申請者が直接チケットを購入しなければならないとされています。
カリフォルニアまで出向くことのできない申請者のために、ICANNは無償で代行サービスを提供する予定としています。

この提案について、2012年11月9日までパブリックコメントが募集されている段階でまだ承認されていませんが、承認された場合、抽選は2012年12月4日~15日の予定とされています。

商標情報相互利用システム(Trademark Clearinghouse)について

新gTLDのドメイン名登録における商標保護を目的にTrademark Clearinghouse(TMCH)の導入が決定されています。

TMCHの運用規定などの詳細はまだ確定していませんが、以下の方法で利用されることが予定されています。

  • 優先登録(Sunrise process)
    新gTLDの運営者(レジストリ)は、一般登録に先立ち、Sunrise processを設けることが義務付けられていますが、その際、TMCHに登録されている文字列の権利保有者が優先的にドメイン名を登録できる
  • Trademark Claims サービス
    登録開始後、申請されたドメイン名がTMCHに登録されている文字列と一致する場合に、ドメイン名申請者とTMCHの登録者の両方に通知される
  • Trademark Clearinghouse(TMCH)
    商標権者が事前登録(有料)することによって作成されるデータベース。各レジストリが利用することで、商標保護に関する仕組みの導入を容易にし、商標権者の負荷を軽減することを目的としています。
    Clearinghouseへの商標情報の登録には、使用実績の証明も含めることも検討されています。
    使用実績の証明とは、使用宣誓書と、使用していることを証明できるサンプル(商品のラベルやタグ、カタログやパンフレット、広告など)になります。

簡略化された仲裁処理規定(URS)について

現在のgTLDのドメイン紛争解決には、統一ドメイン紛争処理方針(UDRP:Uniform Domain Name Dispute Resolution Policy)がありますが、新gTLDでは費用や手続きを簡略化したURS(Uniform Rapid Suspension system)をあわせて導入される予定です。

これは、UDRPのように「移転」「取消」を求めるものではなく、より迅速にドメイン名の使用を差し止める制度で、新gTLDのレジストリはUDRPとURSの導入が義務化されます。


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