ドメインネーム基礎知識ドメインネーム基礎知識新gTLDについて

gTLDは当初「.com」「.net」「.org」「.edu」「.gov」「.mil」「.int」の7種類でスタートしましたが、その後順次拡大され2011年には22種類となりました。 従来、新しいTLD※を追加するためにはICANN※による厳しい審査を経る必要があるなどそのプロセスが非常に厳しく、新たなTLDの追加やこれを運用する事業者の選定は、事実上ICANNによってコントロールされてきました。

しかし、2008年6月のICANNの理事会において新しいgTLDの導入プロセスを大幅に緩和する方針が承認され、2012年1月~5月に新しいプログラムにもとづくgTLDの申請受付が行われました。
この期間の申請は1,930件にのぼり、同じ文字列への複数の申請をまとめると1,400種類以上の文字列が新しいgTLDとして申請されました。

その後、2013年8月に初期審査が終了し、テストにパスした最初の新gTLDが2013年10月に委任され、インターネットルートゾーンに追加されました。
以降も委任が進められ、新たなgTLDが続々と登場しています。


  • TLD(トップレベルドメイン)
    「.com」「.jp」などドメイン名の最も右側の部分をトップレベルドメイン(TLD)といいます。
    このうち世界共通で利用される分野別ドメインを「gTLD(Generic Top-Level Domain)」といいます。
  • ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)
    全てのドメイン名やIPアドレスを世界レベルで管理するため、1998年10月に設立された米国(カリフォルニア州)の国際機関。

新gTLDが意味するもの~何が変わるのか

gTLDの自由化とも言われていますが、ICANNが「新たなTLDを運営するレジストリを募集する」という本質が変わるわけではありません。
レジストリになるためには安定的な経営基盤や技術力、そして新しいドメインをどのように利用・運営するかというビジネスモデルが求められるため、利用目的のないTLDを押さえたり、個人が自由にTLDを追加することができるようになったわけでもありません。

その意味で、自由化のポイントは以下の2点ということになります。

  • あらかじめ募集要項と要件が明文化され、これに沿った申請であれば登録が認められる
  • 募集の段階で新設されるTLDの数に上限を設けない

このようなプロセスの改訂によって、インターネットの世界に大きなインパクトを与える動きが生まれました。

  • これまでにない大量の新しいgTLDが登場する
  • 企業が商号やブランド名のgTLDを取得し独自のドメインとして運用する

企業にとっての新gTLD

企業による独自のgTLD活用として、以下のようなケースが考えられます。

  • レジストリとしてドメインを販売
  • 独自ドメインによる信頼性の高いWebサイトなどの運営
  • フランチャイズや店舗など、販売網に活用
  • 顧客向け、会員向けなどのサービス提供
  • プロモーションでの利用など、認知度の向上

これまでレジストリとしての経験がない一般企業が新しいgTLDを運用するためには、以下のような課題があります。

  • 申請に必要なドキュメント(事業プランやポリシーを含む)の作成
  • ICANNとのコミュニケーション
  • システムの構築 (Whoisサーバー、DNSサーバー、取得・更新のインターフェースなど)
  • 運用ルールの整備
  • セカンドレベルの命名規則など、活用方針の策定
  • 認知度獲得のためのプロモーション

マークアイでは、ノウハウのあるレジストラ、レジストリと連携し、gTLDの取得を検討されている企業を支援いたします。

gTLD増加による企業への影響

1000種類以上の新しいgTLDが登場することにより、商標権侵害やフィッシングなどドメインの悪用も増加することが予想され、企業にとってはリスクが高まることを意味します。

そのため、新gTLDのプログラムでは、商標権保護に向けた新しい仕組みも導入されています。

新gTLDの商標保護プログラム

これまでにない大量のドメインが次々と登場してくる状況では、従来どおりの対応では必要以上にドメインを取得して過剰なコストが発生したり、逆に重要なドメインの保護がもれ第三者に侵害されるといった問題が生じる可能性があります。

したがって、新しい状況に応じた保護戦略を準備し、常に最新の情報を収集、問題が発生すればすぐに対応することが重要になります。

マークアイは、最新情報の提供、ポリシー策定などの保護戦略立案、侵害対応などのサービスを通じ、これらの問題への対応をお手伝いします。

新gTLDによる新たな問題

大量の新gTLDが追加されることによって発生する可能性がある、新たなセキュリティリスクが懸念されています。

中でも、新gTLDで追加されたドメイン名と、組織内などローカルな環境で「内部名」として利用していたドメイン名が重複することによって発生する 「名前衝突(Name Collision)」という問題が注目されています。